先日、10月4日(月)に日本ソムリエ協会が主催する例会セミナーに参加してきました。テーマは「滋賀酒の扉 〜滋賀の日本酒の魅力〜」です。今回の講師は滋賀の酒蔵で女性杜氏として活躍している二人。喜多酒造の喜多真優子さんと平井商店の平井弘子さん。喜多酒造は「喜楽長」という銘柄、平井商店は「浅茅生」という銘柄が有名です。お二人ともキャラクターが異なっていて、喜多さんは出来るキャリアウーマン風でトークも上手です。一方、平井さんは建築系出身の天才肌でトークは流暢ではないものの一言一言が面白かったです。
京都に住んでいると滋賀酒を飲む機会が多いのですが、全体的に旨味たっぷりの濃醇な味わいの酒が多いように感じます。しかし、最近は「酸」を意識した酒造りにシフトしているのだとか。やはり料理とのペアリングを考えると酸の役割が大きいからなのでしょう。その他、滋賀酒の歴史やトピックが紹介されましたが、モデレーターの家鴨あひるさんがSAKE DIPLOMA公式テキストの主要生産地の構成を真似て滋賀酒を説明していただきました。とても分かりやすかったですが、若干マニアックな情報もありました。
第二部はいつものようにテイスティングが行われました。今回は次の6種類が提供されました。
①喜楽長 純米吟醸 辛口+14 |
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②浅茅生 純米吟醸 北船路 |
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③喜楽長 純米 時渡る |
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④浅茅生 特別純米酒 滋賀渡船六号 |
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⑤喜楽長 純米大吟醸 湖風 |
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⑥浅茅生 純米活性にごり 湖雪 |
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上記6種類の日本酒を次の4種類の食品とペアリングして、その相性を試しました。
- 鮒ずしの飯(鮒ずしとして発酵したご飯)
- 朝宮茶塩
- クミンシード
- こし餡
詳しいコメントは割きますが、相性の良さは個人的には次のように感じました。ぜひご自身で試してみてください。
鮒ずしの飯 | ①喜楽長 純米吟醸 辛口+14 |
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朝宮茶塩 | ②浅茅生 純米吟醸 北船路 |
クミンシード | ③喜楽長 純米 時渡る、④浅茅生 特別純米酒 滋賀渡船六号 |
こし餡 | ⑤喜楽長 純米大吟醸 湖風、⑥浅茅生 純米活性にごり 湖雪 |
面白かったのは浅茅生の活性にごりの話。活性にごりの日本酒度は出荷時の数値なのですが、店舗や飲食店で保管中も発酵が進むため、実際に飲む時には糖度が下がり日本酒のマイナスが小さくなり、反対にアルコール度数は高くなるのだとか。だから活性清酒を飲むときはラベルに記載されている数値ではなく、実際に自分が飲む時の感覚を大切にした方がよいと思います。
日本ソムリエ協会の会員になると今回のようなセミナーへの参加が無料になります(会員以外が参加すると6,000円必要です)。何度でも参加することができますし、SAKE DIPLOMAのみの保有でもワイン関連のセミナーに参加することもできます。また、セミナーは全国で開催されているため旅行の日程に合わせて参加することもできます。
資格だけ取得して会員にならない人が多いのですが、実はこの協会の会員特典はお得だと思います。まだ入っていない場合はぜひご検討ください。