【2021年】SAKE DIPLOMA International受験の感想とアドバイス

SAKE DIPLOMA

先日、10月16日(土)に大阪会場にてSAKE DIPLOMA Internatinalを受験しました。この試験を受けるのは今回が初めてでした。先に結果を申し上げると、不合格でした。ただし、筆記試験(Written Exam)だけは通過したようで、次回以降はテイスティングと論述だけ受けることができます。Internatinalは筆記試験とテイスティング・論述が同じ日に行われるため、このような取り扱いは無いと思ったのですが、日本語版試験と同様に筆記だけ通過という扱いがあるようです。

 試験当日のスケジュール

試験当日は次のように進みました。

10:40-10:55 Arrival & Registration
10:55-11:00 Orientation and Instructions for Written Exam
11:00-12:00 Written Exam
12:02-12:05 Instructions for Short Essay and Tasting Exam
12:05-12:25 Shot Essay Exam
12:25-13:05 Tasting Exam
13:10 End of exam

当日の受付とオリエンテーションは日本語で行われますので英語のヒアリング力は問われません。ただし、配布される資料(当日の試験概要等)は全て英語で記されています。上の時間割を見れば分かりますが、とてもタイトな時間割で途中でトイレ休憩はありません。約2時間通して行われるため、受験する場合は事前にトイレを済ませておきましょう。

 筆記試験の感想

筆記試験は日本語版とは異なり、実際にペンで答えを記入しなければいけません。つまり、消去法等で答えを導き出すことはできず、しっかりと知識を蓄え、それを正確な綴りで記入することが求められます。加えて、60分で100問と日本語版と同じ設問数に回答しなければいけないため、スピードも求められます。ノンビリと設問を読んだり悩んでいるとあっという間に時間が経過します。

当初、難易度は日本語版より数段下で、基礎問題が多いという情報を得ていました。私がAmazonのKindleで販売しているInternatinal用の問題集には「難易度が高すぎて使い物にならない」というコメントが付いたほどです。しかし、実際に私が受けてみた感じでは難易度は日本語版よりも少し下くらいで、ニッチな設問も多かったです。つまり、難易度は従来よりも上がっているということです。したがって、今後Internatinal試験を受ける場合は日本語と同等レベルの勉強が求められると考えます。

 論述試験の感想

日本語版との大きな違いは文字数制限が無い、ということです。日本語版は200字という制約がありますが、InternationalはA4用紙1枚まるまる使うことができます。制限が無い分、あまりに文字数が少ないと空白が目立ちます。だから、知っている知識はできるだけ書いてしまうほうがよいでしょう。

ちなみに2021年度の論述テーマは次の2問でした。

  1. 高知県の酒米を3つ挙げて、その中から一番メジャーな酒米について説明せよ
  2. 焼酎の減圧蒸留について説明せよ

正直、このテーマを見た時はショックを受けました。日本語版よりも難易度が高いからです。特に高知県のテーマに関しては日本語でも説明するのが難しく、それを英語で説明しなければいけません。このテーマを見た瞬間に、今回の試験の不合格は決まったと確信しました。

 テイスティング試験の感想

テイスティングは日本語版と同様に日本酒が4種類、焼酎が2種類出ました。

本醸造酒 ササニシキ
純米酒 五百万石
純米吟醸酒 夢山水
純米吟醸酒 五百万石
芋焼酎 常圧蒸留
米焼酎 減圧蒸留

ササニシキや夢山水が出たのは想定外でしたが、回答しなければいけないことは日本語版とほぼ同じです。だから、日本語版の試験を受けたことがある場合はそれほど悩むこと無く回答できるのではないでしょうか。もちろん、選択する用語は全て英語なので最低限の知識は覚える必要があります。

 受験後

2週間後に日本ソムリエ協会のホームページに結果が公表されます。日本語版と同様、受験番号と氏名が記載されています。ここに記載されていない場合は不合格です。ただし、私のように筆記試験だけ通過した場合、後日郵送にてその内容が送られてきます。

Internationalの場合は日本語版と異なり、期限なく今後3回まで論述・テイスティングを受験することができるようです。私自身は筆記試験のプレッシャーが一番大きかったので、この結果には満足していますが、来年以降も今年と同等レベルの論述テーマが出題されると合格は簡単ではないなと感じています。

今回、Internationalを実際に受けてみて、筆記試験に関してはどのように勉強すればよいのか分かりましたので、2022年度に受験する方に向けて問題集をブラッシュアップしたいと思います。

 (参考)SAKE QUIZ 250 English Edition

AmazonのKindleで販売しているSAKE QUIZ250の英語版をリリースしました。単語表記は教本に基づいています(一部除く)。Kindle unlimitedを利用している方は読み放題の対象です。

Yasuyuki Ito

Yasuyuki Ito

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。30代はワインにハマり、40代は日本酒にハマる。さて、50代は何にハマろうか。

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