先日、6月30日に長野県は県産の清酒及びワインの「酒類の地理的表示(GI)」指定にかかる申立(令和3年4月23日)について、清酒とワインが同時に国税庁長官から指定を受けました。ひとつの産地において、2種類の酒類が同時に指定を受けるのは国内初ということです。GI指定に関してはここ数年の間に各地で取得を進めていますが、私の知る限りにおいて、その認知度は決して高くありません。今後は消費者におけるGIの認知度を高める施策を進めていかなければ、各地域の自己満足で終始してしまうのではないでしょうか。
フランスのボルドーやブルゴーニュが高い品質を維持し、世界から評価されているのは厳格な評価基準があるからです。しかし、日本のGIはとにかく基準が緩いのが特徴です。つまり、長野県内で基準を満たした日本酒を造ったとしても、品質にバラツキが生じる可能性がとても高い。そうなれば低い品質の日本酒を飲んだ消費者は「長野」を評価しなくなるでしょう。だから、今後日本国内のGIにおいては、世界に通じる評価基準で商品作りを行っていく必要があると感じます。
長野県のGI基準
日本酒 | 県内で収穫された一定の品質以上の米及び県内で採取された水を用い、県内で精米から醸造、瓶詰まで全ての工程を行うもの |
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ワイン | 県内で収穫された一定の品質以上のぶどうを用い、県内で醸造、熟成、瓶詰までの全ての工程を行うもの |