山形県で「東光」を造る小嶋総本店が全量純米造りへ転換

1597年、安土桃山時代に創業した山形県の老舗酒蔵「小嶋総本店」(山形県米沢市)は、2020年10月出荷分の日本酒から全量純米造りに切り替えました。2010年時点においては約6割が醸造アルコールを添加した商品でしたが、10年間かけて徐々に純米造りの比率を増やし、今年ようやく全てが純米になりました。

純米に切り替えた理由は2つあります。

  1. 量から質への転換
  2. 国外への輸出を意識

醸造アルコールを使用するとコスト削減を行うことができます。コンビニで売られている日本酒が安いのは醸造アルコールが使用されているためです。しかし、今後飲酒人口が大幅に増えることがない市場においては、量で儲けるビジネスモデルではなく、商品の質を高め単価を上げるビジネスモデルへの転換が必要です。当然、いままで作ってきたアルコール添加の商品を好む層もいるのですが、長期的には質を高めた商品力強化が欠かせないのでしょう。

もうひとつの理由は海外への輸出がビジネスの肝になるためです。その際に求められるのは「オール日本産」の原料であることです。実は醸造アルコールは海外から輸入したサトウキビを使用して作られているため、醸造アルコールを使用することで国産以外の原料が混じってしまいます。舌の肥えた海外の消費者はテロワールを強く意識しているため、これでは受け入れられない可能性が高まります。海外においてはオール日本産はもちろん、全ての原料が地元産である方が強みになるのです。

小嶋総本店はイギリス、イタリア、オーストリア、カナダ、韓国、シンガポール、スイス、タイ、台湾、中国、ドイツ、香港・マカオ、イスラエル、ロシア、マレーシア、オーストラリア、アメリカに輸出しています。これだけの大きな酒蔵がこのような転換を行ったことは業界への影響も大きいのではないでしょうか。

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