【本記事の内容】
・酒ディプロマの概要
・受験者数と合格者
・受験者属性
本記事は独自に開発した教材を使い、約100時間の勉強で酒ディプロマ試験にストレートで合格した酒ディプロマ保有者が執筆しています。この記事を読むことで、酒ディプロマ試験に関する基本的な知識が一通り身につきます。
目次
酒ディプロマの概要
日本ソムリエ協会が実施する試験
酒ディプロマ(正式名:J.S.A SAKE DIPLOMA)は一般社団法人日本ソムリエ協会が2017年から実施している認定試験です。
同協会が以前から実施しているソムリエやワインエキスパートなどワイン関連の資格保有者や、日本酒や和食に携わっている方を対象にしています。
酒ディプロマが実施されるまではNPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)が実施する「唎酒師(ききさけし)」が日本酒資格の主流でしたが、現在は飲食店や酒販店、ホテル等宿泊業で働く人を中心に酒ディプロマが注目されています。
呼称資格のひとつ
日本ソムリエ協会では酒ディプロマを呼称資格と定めています。呼称資格とはその試験に合格した人だけが名乗ることのできるものです。酒ディプロマを名乗るには同協会の試験に合格し、認定登録料を支払い、認定登録の手続きを経る必要があります。
特別な業務が認められているわけではない
酒ディプロマは民間資格であり、国家資格ではありません。
そのため、この試験に合格したからといって、特別な業務が行えるわけではありません。あくまでも「酒ディプロマ」を名乗れるだけの資格です。
しかし、飲食業界に大きな影響力を持つ日本ソムリエ協会が実施しているため、飲食や小売、宿泊などの業界で働く人にとっては一定の評価を得られるのではないでしょうか。
受験者数と合格率
酒ディプロマは毎年どれくらいの人が受験して、どのくらいの人が合格しているのでしょうか。日本ソムリエ協会が公式にリリースしている「資格保有者一覧表」を元に受験者数と合格率をご紹介します。
受験者数
2017年から2021年までの受験者数です。
2017年 | 3,515人 |
---|---|
2018年 | 2,570人 |
2019年 | 2,457人 |
2020年 | 2,228人 |
2021年 | 2,183人 |
初年度は3,000人を超えていましたが、その後は2,000人台に減少しました。元々日本酒資格に興味がある人が少ないことに加え、若者の日本酒離れも進んでいるため、今後は2,000人前後で推移していくのではないでしょうか。
合格率
2017年から2021年までの合格率です。
2017年 | 41.5% |
---|---|
2018年 | 38.1% |
2019年 | 35.3% |
2020年 | 44.2% |
2021年 | 44.4% |
2018年は試験方式がCBTに切り替わった年で試験対策方法が不明だったため合格率は下がりました。しかし、2020年頃からスクールやネット上で試験対策が充実したこともあり、合格率は上昇しました。おそらく今後も40%台で推移していくと考えられます。
ちなみに酒ディプロマの英語試験「SAKE DIPLOMA International」の合格率は2021年が30.6%で、これはソムリエやワインエキスパートよりも低い数値です。
受験者属性
酒ディプロマの試験対策教材を開発・販売しているNANAME KIKAKUの「2022年度J.S.A SAKE DIPLOMA受験者実態調査」を元に、どんな人が受験しているのかご紹介します。
男女比
男性 | 49.3% |
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女性 | 50.7% |
男女関係なく受験されている試験ですね。
年齢層
20代 | 15.5% |
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30代 | 26.8% |
40代 | 36.6% |
50代 | 15.5% |
60代 | 5.6% |
30〜40代の受験者が最も多く、20代と50代が同じ割合となっています。
職業
会社員 | 63.4% |
---|---|
会社経営・役員 | 9.9% |
自由業 | 4.2% |
専門職 | 4.2% |
専業主婦(夫) | 2.8% |
パート・アルバイト | 7.0% |
無職・定年退職 | 2.8% |
その他 | 5.6% |
圧倒的に会社員の比率が高いです。所属する会社で取得を推奨されているのかもしれません。
業種
酒造メーカー | 1.4% |
---|---|
酒類商社・卸売業 | 9.9% |
酒類小売業 | 14.1% |
飲食業 | 39.4% |
宿泊業 | 5.6% |
酒類以外の一般企業 | 7.0% |
その他 | 22.5% |
やっぱり飲食業界で働く人が多いですね。
役職
一般社員 | 46.5% |
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主任・係長クラス | 18.3% |
課長クラス | 2.8% |
部長クラス | 4.2% |
経営者・役員 | 8.5% |
個人事業主 | 9.9% |
その他 | 9.9% |
教育研修の一環として受験してもらう会社が多いようです。
学歴
大学院 | 2.8% |
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大学 | 49.3% |
短大・高専 | 4.2% |
専門学校 | 32.4% |
高校 | 11.3% |
飲食業の受験者が多いため、料理系専門学校を卒業した人が多いと思われます。
受験動機
転職に有利だと思ったから | 7.0% |
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今の仕事の幅を広げたいから | 52.1% |
今の仕事の専門性をより高めたいから | 57.7% |
独立に有利だと思うから | 12.7% |
今の仕事における実力を証明したいから | 15.5% |
今の仕事の知識を整理したいから | 29.6% |
仕事には関係ないが興味があるから | 29.6% |
資格手当・資格取得支援金が出るから | 8.5% |
その他 | 4.2% |
仕事に直結する受験者が多いため、キャリアを意識した回答が多くなりました。
酒ディプロマ以外に保有する日本酒資格
きき酒師 | 9.9% |
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日本酒ナビゲーター | 2.8% |
国際利酒師 | 1.4% |
受験者の約1割がきき酒師の資格保有者です。
日本酒資格以外に保有する飲食系資格
ソムリエ | 36.6% |
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ワインエキスパート | 15.5% |
調理師 | 12.7% |
受験者の35%以上がソムリエ保有者という驚きの結果に。
以上、酒ディプロマ試験の概要をお伝えしました。
2022.08.01
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