【SAKE DIPLOMA】 勉強開始時期が早いほど合格する確率は上がるのか?

SAKE DIPLOMA

先日、2022年11月2日に2022年度SAKE DIPLOMA認定試験の合格者が発表されました。NANAME KIKAKUでも教材購入者の92名が合格したことを確認しました。受験者の声を聞くと、一次試験(CBT)に関しては教材と情報が充実してきたこともあり、相応の勉強時間を割けば多くの人が合格できるようです。一方で、二次試験(テイスティング)に関しては、たくさんトレーニングしたからといって合格率が高まる、というわけではないと感じます。

さて、今回は今年の教材購入者の属性を元に2つのグラフを作ってみました。1つは「教材購入月別の合格率」、もう1つは「業種別の合格率」です。「早くから勉強を開始すれば本当に合格率は上がるのか?」「酒類に関係する仕事をしている人ほど合格率は高いのか?」という2つの疑問にフォーカスしてみたいと思います。

 教材購入月別の合格率

上のグラフを見ると、「早く勉強に取り掛かったからといって合格率が高まるわけではない」ということが分かります。試験勉強で大切なことは「ピークを受験日に合わせること」ですが、あまり早く勉強してしまうとピークが受験日に合わない可能性が高いと考えます。

NANAME KIKAKUの過去3年の属性データを見ると、SAKE DIPLOMA受験者の約3割はソムリエやワインエキスパートの保有者です。この2つの試験はテキストが分厚くて、合格するにはかなりの勉強時間が必要です。一方、SAKE DIPLOMAは年々テキストの情報量は増えているものの、ワインほどではありません。

もしかしたら、ソムリエやワインエキスパートの勉強と同じ感覚で早くから勉強を開始してしまう受験者が多く、その結果、中だるみ等が生まれ、ピークが受験日に合わなくなるのかもしれません。そういう意味ではSAKE DIPLOMAは8月を受験日に設定し、5月から7月までの3ヶ月間で集中的に勉強するほうが効果が高いのではないでしょうか。

 業種別の合格率

最も合格率が高いのは「酒造メーカー」に勤務する人でした。これは当然の結果だと思います。その次に合格率が高いのは「酒類以外の一般企業・組織」に勤務する人でした。多くの人は酒類関係者の方が試験に有利だと思われますが、SAKE DIPLOMA試験においてはそのような傾向は無く、誰もが平等にチャンスがある試験だと分かります。一般企業の場合は仕事に直結する資格(簿記やTOEICなど)を勉強する機会があるため、試験勉強に慣れている人が多いからなのかもしれません。

今後もこのような統計データを小出しで提供したいと思っています。

Yasuyuki Ito

Yasuyuki Ito

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。30代はワインにハマり、40代は日本酒にハマる。さて、50代は何にハマろうか。

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