廃校になった旧小学校で造られる長野生まれの「クラフト・シードル」

トレンド

最近、私の周りではシードルを飲む人が増えてきました。シードルとはリンゴの搾り汁を発酵させて造ったアルコール飲料のこと。リンゴから生まれる酸味とほのかな甘味が特徴で、お酒が苦手な人でも気軽に飲められるとして年々人気が高まっています。最近ではコンビニエンスストアの冷蔵庫に置かれるシーンも増えてきました。

現在、国内では日本酒のクラフト・サケ、ビールはクラフト・ビールと呼ばれる小規模醸造者が国内に増えています。それに加えて、シードルにも「クラフト・シードル」と呼ばれる小規模醸造者が出てきました。その中でも有名なのが2019年に長野県で開業した「林檎学校醸造所」です。

 林檎学校醸造所とは

林檎学校醸造所は長野県の北部にある飯綱町にあります。ここは昼夜の寒暖差が大きく、冷涼な気候を生かしたリンゴ栽培が盛んです。この町では約50種類のリンゴが栽培されており、この品種の多さを生かし、幅広い味わいのシードル造りが行われています。

醸造の拠点となるのは旧三水第二小学校の校舎をリノベーションした複合施設「いいづなコネクトEAST」の職員室。廃校を活用した地域活性化の取り組みとして有名で、校舎内には醸造所の他にカフェや売店、ワーキングスペースなどが入居しています。ちなみに廃校を活用したシードル醸造所は国内では初の取り組みで、世界的に見ても珍しいのだとか。

 どんなシードルを造っているの?

前述したように、この町では約50種類のリンゴが栽培されています。この中には生食用には向かない品種も含まれていますが、このような品種はシードル造りでは味の深みを活かすために欠かせません。この醸造所では違う品種のリンゴを組み合わせることで多様な味わいを生み出せるのが特徴です。

製造工程でも特徴があります。一般的な醸造では発酵後にタンクで二次発酵させたり、人工的に炭酸ガスを吹き込んだりすることがありますが、この醸造所ではシャンパーニュと同じように「瓶内二次発酵」を採用しています。瓶内二次発酵により、きめ細やかな泡と複雑な味わいを生み出すことができます。

出来上がったシードルに小学校のクラス名を付けているのも面白いです。「学級シリーズ」では使用する品種に合わせ「1組」や「5組」といった名称を付けています。

2021年1組750ml シードル(引用:林檎学校醸造所オンラインショップ)

購入方法は?

まず、林檎学校醸造所の隣の部屋に直売所があります。おそらく、現地でしか購入できないような商品もあると思うので、醸造所見学に訪れた際は直売所で購入しましょう。

その他、長野県下の酒販店や農園、コンビニでも販売されています。詳細は同醸造所のホームページに取扱店一覧が掲載されていますのでご確認ください。

また、長野県まで行けない人にはオンラインショップの活用をオススメします。オンラインショップではシードルの他にトートバッグなどオリジナルグッズも購入することもできます。

Yasuyuki Ito

Yasuyuki Ito

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。30代はワインにハマり、40代は日本酒にハマる。さて、50代は何にハマろうか。

Related Articles

特集記事

TOP