スイス・アーミー・ナイフのことはご存知でしょうか。日常的に持ち歩いている人は限られていますが、見たことがある人は多いと思います。これは多機能なポケットナイフのことで、特にスイスの企業であるビクトリノックス(Victorinox)とウェンガー(Wenger)が製造しています。
最近、ビクトリノックスが刃の無いスイス・アーミー・ナイフを販売するとリリースしました。ナイフなのに刃が無いなんて。なぜ、このような大幅な機能変更を行うことになったのでしょうか。それは世界各国でナイフの規制強化が進んでいるからです。
2023年には大阪でビクトリノックスのナイフをポケットに入れた男性が、危険物を携帯したとして罰金を科せられました。今まではスイス・アーミー・ナイフは特別な存在で、持ち歩きが許されていたのですが、昨今では他のナイフと同等の扱いを受けることが増えてきました。このような状況に対応するために、刃の無いナイフを販売するに至りました。
スイス・アーミー・ナイフの歴史
ここで少しだけこのナイフに関する歴史をご紹介します。
スイス・アーミー・ナイフは1891年にスイス軍のために初めて製造されました。当時、カール・エルズナーが創設した会社であるビクトリノックスが製造を担当していました。
1908年からはビクトリノックスとウェンガーがスイス軍用ナイフを共同で製造することになりました。それ以降、ビクトリノックスは「オリジナルスイスアーミーナイフ」、ウェンガーは「ジェニュインスイスアーミーナイフ」として販売されました。
2013年にビクトリノックスがウェンガーを買収し、現在はビクトリノックスが一社でスイス・アーミー・ナイフを製造しています。
スイス・アーミー・ナイフの特徴
このナイフには次の3つの特徴があります。
多機能 | スイス・アーミー・ナイフはブレード(刃)だけでなく、ドライバー、はさみ、やすり、缶切り、ボトルオープナー、コルクスクリューなど多くのツールが組み込まれています。 |
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デザイン | 伝統的には赤いハンドルに白い十字のエンブレムが特徴です。近年ではさまざまなデザインや色、素材のバリエーションが提供されています。 |
品質 | 高品質のステンレススチールが使用されており、耐久性が高く、多用途で信頼性のあるツールとして知られています。 |
有名なモデル
ビクトリノックスのスイス・アーミー・ナイフには4つの有名モデルがあります。今後購入する場合は、この4つの中から選ぶと良いでしょう。
クラシックSD | 小型で携帯しやすく、基本的な機能を備えたモデル |
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スパルタン | 最も一般的なモデルの一つで、多機能でありながら携帯性も優れているモデル |
ハントマン | 多機能でアウトドア活動に適しているモデル |
トレイルマスター |
野外活動に特化した耐久性のあるモデル |
キャンプやハイキングで使用するなら、多機能で耐久性のある「ハントマン」や「トレイルマスター」などが適しています。キーリングに付ける小型のナイフを求めている場合は、基本的なツールを備えた「クラシックSD」などの小型モデルが適しています。
便利な道具ではあるのですが、前述のように日本でも持ち歩くだけで罰金を課せられます。だから、携帯するのは特定の日だけにして日常的に持ち歩くのは避けたほうがよいでしょう。これは日本に限ったことではありません。世界には日本よりも刃物の携帯を厳しく取り締まる国があります。
また、当たり前のことですが航空機内に持ち込むことはできません。折りたたむことができるので手荷物に入れてしまいがちですが、検査で見つかると何かと面倒なことになりますので気をつけましょう。
ビクトリノックスは楽天市場に公式ストアを開設しています。スイス・アーミー・ナイフを購入する場合は品質を担保するために必ず公式ストアを選びましょう。