栃木県鹿沼市に誕生した新星「小林醸造」。日本酒業界では珍しい完全オーダーメイドの酒造りを掲げ、個性とこだわりを詰め込んだ酒造りに挑んでいます。旧校舎を改修した酒蔵「前日光醸造所」から、地元愛と革新を込めた一杯が生まれています。
特別な日本酒を作る「オーダーメイド」の仕組み
小林醸造の最大の特徴は注文者の希望に応じて味わいや風味を自由に調整できるオーダーメイド方式。酒米や仕込み水の持ち込み、精米歩合や仕込み方法の指定など細部までカスタマイズが可能です。フルーティーな香りの酒から辛口まで注文者の理想を形にします。さらに、ラベルや箱もオリジナルデザインが可能で、結婚式の引き出物や記念品としても利用されています。
醸造料金は一番安い「55%精米(山田錦・一般米)」で200,000円(税抜)で、これで四合瓶100本分(約60kg)の日本酒が手に入ります。1本当たり2000円ですので、気軽に依頼できる料金設定ではないでしょうか。
(参考)前日光醸造所Webサイト
地域や企業とのコラボレーションが次々と実現
日本酒だけでなく地元や企業とタッグを組んだ商品開発も注目ポイントです。たとえば、豪華特急「スペーシアX」とコラボして誕生した日本酒「車窓」や、鹿沼の秋まつりをテーマにした酒など地域の魅力を日本酒に反映させています。これにより、地元と観光の活性化を図る取り組みが広がっています。
酒造りが「体験型エンターテインメント」に
この酒蔵では注文者が実際に醸造工程に参加できる体験プログラムを提供しています。醸造所に直売店を併設し、酒造りだけでなく空き教室を活用した味噌作り体験なども実施。日本酒を通じた「体験型エンターテインメント」として、多くの人々を惹きつけています。
未来への挑戦
小林醸造は日本酒業界の縮小や消費減少という逆風の中、新たな可能性を切り拓いています。「酒造りをエンターテインメントに」という想いを胸に、地域と世界を繋ぐ日本酒文化の発信拠点を目指しています。この挑戦は単なる酒造りにとどまらず、新しい価値観を提供する大きな一歩となるでしょう。
(参考)日本経済新聞