【感想】沖縄好きならきっと知っているはず、南大東島で造られたラム酒「コルコル」。これは金城祐子さんが代表を務めるグレイスラムという会社が製造しています。本書はこの金城氏をモデルとした実話に基づいたサクセス・ストーリーです。沖縄産のラム酒を造る、という強い気持ちを元に、初めての起業に挑戦する彼女の姿と、彼女を支える周囲の温かい気持ちに感動しました。特に彼女の「おばあ」の存在はとても大きく、きっとおばあがいなければ、コルコルは完成しなかったんだろうなと感じます。オール沖縄産のモヒート、飲んでみたいなー。
ハイライト
ラムは、さとうきびからできる酒。だから、風が育てた酒なのだ、と。それ以来、ラムはまじむのいちばん好きな酒になった。いやなことがあっても、風に吹かれて消してしまおう。そう決めると、気持ちが楽になった。
実現するまでは、最初から最後まで自分にも人にも嘘をつかない。信念を持っていれば、どんなことでもあえて口に出して言う。言ってしまったことには、必ず責任を持つ。
アグリコール・ラムは、一般に流通しているインダストリアル・ラムと区別されている。インダストリアルはさとうきびの搾り汁から結晶化させた精製糖を採取した、糖蜜と呼ばれる残りの汁を原料として発酵・蒸留させて造られるのに対し、アグリコールはさとうきびの搾り汁をそのまま水で薄めて発酵させるものだ。その分、豊かな香りと深い風味が味わえる。
無色透明なホワイト・ラム、おばあのお気に入りのクレマンがそうだよね。さとうきびや糖蜜の素材の味が活かされている。それから、内側を焦がした樽で貯蔵した濃褐色のダーク・ラム。そして、カラメルなんかで着色したゴールド・ラム。これは、ダークとホワイトを混ぜ合わせて金色を出したりもする。蒸留や熟成の方法によって、色や風味が違うラム酒ができるんだよね。
誰もやってないことをやってみる、ってこと。それよりも大事なことなんかない。