若者にもっと日本酒を飲んでもらおうと、各県が様々な取り組みを行っています。群馬県では県内の大学生、大学院生、専門学校生らを対象に「群馬の地酒PR動画コンテスト2021」を開催しました。そこで最優秀賞を受賞したのは高崎経済大学・若林ゼミAグループでした。彼らの作品はこちら。
ポイントは社会人が考えた学生向けの動画ではなく、学生自身が考えた動画であること。社会人が考えるとどうしても「こうあってほしい」という理想が含まれてしまい、場合によっては押し付けがましい動画になります。一方、学生自身が作った動画は身の丈にあっている現実的な動画だと言えます。
今後、酒造組合や酒造メーカーが学生を対象にしたプロモーションを行う場合は、できるだけ学生を参加させるほうがよいのではないでしょうか。調査によれば昨年1年間で一度も日本酒を飲まなかった若者は約7割にいて、多くの若者が新政や而今、十四代のようなブランド銘柄さえ知らないと言います。
つまり、今の日本酒ブームは元々日本酒好きなユーザと酒造メーカーが勝手に盛り上がっているだけ、なのです。そんな状況で若者相手にプロモーションを仕掛けても響くはずがありません。日本酒好きが集まる酒造メーカーが単独で考えたプロモーションは若者には響きにくいのです。
今後酒造メーカーに求められることは、自社商品のプロモーション以上に飲酒人口の底上げを行う施策でしょう。これを日本酒メディアやマスコミに依存しては本末転倒。造り手自らが行わないと一時的な流行りで終わってしまいます。