先日、京都コンサートホールで開催されたパイプオルガンのコンサートに行ってきました。奏者は神奈川県民ホール オルガン・アドバイザーを務める中田恵子氏。当日は大雨だったのですが、会場となった大ホールは満席でした。といっても、客のほとんどが高齢者で若者は少なかったです。
曲目はオールバッハ
今回のコンサートの曲目はオールバッハで、まるで教会の中にいるような感覚で聴いていました。
第1部
- 前奏曲とフーガ イ短調 BWV543
- いざ来ませ、異邦人の救い主よ BWV599
- 天から天使の群が来たれり BWV607
- おお神の小羊、罪もなしに BWV618
- われらを救いたもうキリスト BWV620
- キリストは甦りたまえり BWV627
- トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
第2部
- トッカータとフーガ ニ長調 BWV565
- 天にましますわれらの父よ BWV636
- アダムの堕落によって全ては朽ちぬ BWV637
- われ汝を呼ぶ、イエス・キリストよ BWV639
- われらの悩みの極みにある時も BWV641
- 人はみな死すべきさだめ BWV643
- パッサカリア ハ長調 BWV582
BWVとはヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品番号である「Bach-Werke-Verzeichnis(バッハ作品目録)」の略です。音楽学者ヴォルフガング・シュミーダーによって開発され、1950年から使われています。
前半は眠気との戦い
パイプオルガンの音色を生で聴くのは今回が初めてということもあり、最初は慣れず、でも脳に心地よく、第1部の後半は一度寝落ちしました。なんとなくですが、第1部の曲は荘厳で重い空気を醸し出していて、第2部はより軽やかで心地よい風を感じられました。
クラシックのコンサートで寝落ちする人は結構多いようで、でもそれは本人にとって心地よい音だという証拠。不快な音では寝ることはできません。だから、寝落ちするような曲は自分の体に合っているとも言えるのではないでしょうか。
曲より気になったのは高齢者の客のマナーの悪さ。飲食禁止なのに演奏中にお菓子を食べだすわ、すでに奏者が舞台に上がっているのに隣同士で会話しているわで、映画館と勘違いしているんじゃないかと思うほど。クラシックを気軽に楽しむことは大切だけど、最低限のマナーは守ってもらいたいですよね。
パイプオルガンの魅力
今回の演奏に関しては初めて聴く曲ばかりだったので、評価することはできません。でも、パイプオルガンという楽器の魅力は大いに感じることができました。京都コンサートホールのパイプオルガンはドイツのヨハネス・クライス社によるもので、国内では最大級の規模を誇ります。
規模が大きいということは、それだけ生み出せる音色が多彩だということ。ここのパイプオルガンには篠笛や尺八といった京都らしい和楽器の音も生み出せるんだとか。たった一人の奏者がこんなにたくさんの音色を生み出せる楽器はほかにないでしょう。でも、それだけ奏者の技量が問われる楽器でもあります。
オーケストラも楽しいんだけど、ひとつの楽器の音を純粋に楽しむ時間も心地よいですね。次はバッハ以外のパイプオルガンを聴いてみたいな。