ナオライの子会社ノトナオライが生み出す「浄酎(じょうちゅう)」とは

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広島県呉市に本社を置く酒造スタートアップのナオライ(株)の子会社NOTO Naorai(石川県中能登町)が生み出す「浄酎」という新しいジャンルのお酒が注目されています。これは日本酒からピュアなアルコール分だけを抽出した新しいタイプの酒 です。日本酒の豊かな風味をそのままに、アルコール度数を高め、熟成を楽しめるという点が特徴です。

日本酒に詳しい人なら知っていると思いますが、日本酒の約8割は水です。蒸留技術を使い、その水だけを取り除いたら、どのような酒が出来上がるのか。そんなワクワクするような試みを行ったのが、この会社です。

浄酎の特徴

浄酎は40℃以下の低温で日本酒を蒸留する独自の技術「低温浄溜」により、日本酒の華やかな香りや甘美な味わいを凝縮しています。手間をかけて醸した日本酒を蒸留したら、その味わいや香りが損なわれると思われますが、その課題を解決するために生み出されたのが低温蒸留です。

この技術を使えば、蒸留元となる日本酒の特徴をそのままに、新しい蒸留酒を生み出すことができます。水分が入っていない分、元となる日本酒よりもその特徴が際立つのではないでしょうか。

蒸留された液体はアルコール度数が高いため、ウイスキーのように時間をかけて熟成させることで、味わいが変化していくことを楽しめます。従来の焼酎よりもウイスキーに近い商品です。

浄酎が生まれた背景

日本酒はその繊細な風味から長期保存が難しいという側面がありました。ナオライはこの課題を解決するため、日本酒の美味しさを損なうことなく、長期保存が可能な新しい酒を開発しました。それが「浄酎」です。

ナオライは地震で被災した鳥屋酒造(中能登町)の日本酒「池月」を仕入れて浄酎を製造し、2025年内に販売を始める予定です。今後も同様に、国内で存続に苦しむ酒蔵とタッグを組み、付加価値の高い商品を生み出してくれるのではないでしょうか。

浄酎はオンラインショップで購入することができます。興味のある方はぜひ。

 

Yasuyuki Ito

Yasuyuki Ito

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。30代はワインにハマり、40代は日本酒にハマる。さて、50代は何にハマろうか。

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