SAKE DIPLOMA二次試験に向けて

SAKE DIPLOMA

8月30日で2019年度のSAKE DIPLOMA一次試験の全日程が終了しました。NANAME KIKAKUではオリジナル一次試験対策ツール購入者を対象にアンケートを実施しましたが、約50名からアンケート回答があり、その多くが合格していました。一方で不合格になった方もいます。その合否の分かれ目が何だったのか。

私が考える最も大きな要因は「教本をベースに勉強したのかどうか」です。不合格者の多くはポイント集や問題集には取り組みますが、教本を読む頻度が少なかったようです。SAKE DIPLOMAの試験問題は教本から出題されますので、教本を読まないという行為は不合格への道を進むことになります。ベースはあくまでも教本で、ポイント集や問題集はその知識を定着させるために利用する方法をおすすめします。

さて、次は10月上旬に実施される二次試験に向けて勉強する必要があります。一次試験は教本から出題されますので、極端なことを言えば教本を丸暗記すれば合格できます。しかし、二次試験のテイスティングに関しては勉強の方法がわからない、という受験者が多いのです。実際に私も勉強方法が分からず悩んだ末に自ら教材を生み出しました。

テイスティングシートを入手することはそれほど難しいことではありませんので多くの受験者が持っているでしょう。そして、実際に日本酒を試飲してシートから用語を選ぶところまでは進められます。問題はそこからです。自分が選んだ用語で合っているのかどうか判断する基準がないのです。

教材を作った私が言うのもどうかと思うのですが、この回答基準は人それぞれです。例えばワインスクールAの講師の回答と、ワインスクールBの講師の回答は全く同じではなく微妙なズレは必ず生じるでしょう。そして、私が作った用語候補と講師2人の回答もおそらく異なっているでしょう。つまり、統一された回答が無い、ということなのです。これが受験生の多くを悩ませます。

しかし、それで悩んでいるだけでは前に進めません。何かを基準にしながら選択する用語を決めるしかありません。その基準は人それぞれです。プロの基準に合わせたければワインスクールに通うことをオススメします。私の場合はワインスクールに通う財力も時間もありませんでしたので、次に紹介する本を読み、自らその基準を創り出しました。自ら基準を創ることで、テイスティングで使用する用語の多くを覚えることができました。したがって、もし余裕のある方は自分で基準づくりをすることをオススメします。

その基準づくりの参考として次の本をご紹介します。日本ソムリエ協会会長・田崎真也氏が著した本です。120本の日本酒のテイスティングコメントが掲載されています。これを読むことで、プロがどのように外観・香り・味わいを表現するのか知ることができるでしょう。まず、この表現方法に慣れましょう。そして、どのような言葉(用語)で表現しているのかも知ることができるでしょう。きっと、「その用語、また出てきた」と思うはずです。はい、日本酒のテイスティングでは繰り返し同じ用語が使われることが多いのです。反対に全く使用されない用語があることも分かります。

No.1ソムリエが語る、新しい日本酒の味わい方 (SB新書) [ 田崎真也 ]

私はこの本に掲載されているテイスティングコメントをテキスト化し、テキストマイニングツールを使用して頻出する用語の抽出と特定名称との関連付けを行いました。その後、実際に試験で使用される用語だけに絞り込みました。かなり絞り込んだので本番の試験では不安もありましたが、本番は時間との戦いで悩んでいる余裕はなく、かえって絞り込んでおいて良かったと思っています。

もし二次試験を受験する方で、まだ回答基準が見つかっていない場合は私が作成したツールをご利用ください。このツールをベースにしながら、自分で候補集を完成させていく方法が合格への一番の近道だと思います。

二次試験対策ツールを知る

Yasuyuki Ito

Yasuyuki Ito

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。30代はワインにハマり、40代は日本酒にハマる。さて、50代は何にハマろうか。

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